皆様は「仏教コーチング」という言葉を聞かれたことがありますでしょうか。まだ普及していない言葉ですので聞かれたことがある方は少ないでしょう。
それでは、「コーチング」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか。コーチングは「相手の能力や可能性を引き出す対話術」であり、日本でも普及しつつあるので聞かれたことがある方も多いでしょう。
実際に受けられた方はご存知だと思われますが、コーチングの効果はコンサルティングと比較しても絶大です。
しかし、コーチングでも足りない部分があると仏教の勉強をする内に感じることが増えてきました。
そこで、この記事では、コーチングと仏教コーチングの比較をしつつ、仏教コーチングだけのメリットををお伝えします。
この記事を読むことによって、仏教コーチングが皆様の人生に必要なことがわかるでしょう。
※決して仏教への信仰を押し付けるものではないことをお伝えしておきます。
【コーチング】ティーチングやコンサルティングよりも効果的?
海外では当たり前のコミュニケーションであったコーチングも、日本でも浸透してきております。
コーチングという言葉を聞かれたことがある方も増えているでしょう。
実際に、コーチングスクールも増加しているように、日本でも段々と流行ってきております。
流行っている理由は、実際にコーチングによって私達の人生はよくなるからです。
コーチングでは大きく二つのことが明確になります。
- 人生の目的が明確になります
- 具体的な手段が明確になります
まず一つ目に人生の目的が明確になります。
実は、私たちは「地位や名誉や財産」に執われて生きてしまいます。そして、それが全部手に入っても決して幸せになりません。
むしろ反対です。「もっと欲しい」「もっと欲しい」といつまでも求め続けます。
しかしコーチングでは、地位や名誉といった「私のなりたい姿」ではなく「私のありたい姿」を明確にします。
「こう思われる自分でありたい」
「こんな気持ちの自分でありたい」
「こんな表情をしている自分でありたい」
「こんな言葉をかけられる自分でありたい」
そこを明確にすることによって、ウキウキワクワクした気持ちが引き出されつつ、本当の私の人生の目的が明確になります。
また、それをいかに達成するかという具体的な手段がコーチングで明確になります。
更に、目的と手段について、コンサルティングやティーチングは「相手から私が受けるもの」であります。
しかしコーチングでは、私自身の中にあるものをコーチとのコミュニケーションで引き出していきます。
だからこそ、具体的な実践に動かしやすいので、コーチングは非常に効果的です。
そこから更に一歩進んで、仏教の教えを根底としたコーチングを「仏教コーチング」と名付けさせていただきました。
【仏教コーチング】仏教の教えが根底だからこそ本当の幸せが叶います
仏教コーチングという言葉を「仏教に説かれた真理を根底としてあなたのより良い人生を達成するコーチング」と定義付けさせていただきました。
決して、仏教とコーチングを組み合わせるのではありません。
仏教は、世界や私自身の決して変わることのない真理を教えてくれます。
そして、コーチングは、私たちの人生がより良くなるための手段です。
これだけの説明でも、仏教とコーチングは「真理」と「手段」なので全く別物であることがわかります。
実際、コーチングで私達の人生はよくなります。しかし、実際にプロコーチとして活動しておきながら疑問が沸くことがあります。
それは、コーチングは素晴らしいですが、「生きる」ことに執われていないかと感じます。
「いかによく生きる」ことばかりを大切にして、「私達は必ず命を終える時がやってくるんだ」ということをみていないと感じることがあります。
そのような私の本当の姿を教えてくれているのが仏教です。
仏教は私たちの苦悩や人生の意味を教えてくれます
目の前の苦労ばかりに目を向けがちですが、実は、誰もが避けられない苦悩を背負って生きております。
それを仏教用語では「四苦八苦」といいます。この内の四苦は「生老病死」という苦悩です。
つまり、「生まれてくること、老いていくこと、病になること、死ぬこと」は決して避けることができません。しかし「どうにかしたい、どうにかしたい」と思っている私の心を苦であると仏教は教えてくれます。
ここでは死苦について取り上げますと、死ぬことを避けることはできません。しかし、「死にたくない死にたくない」という私の心のことです。
しかし、決して暗い話ではないでしょう。この避けられない苦しみを聞かせていただくからこそ、死ぬことは必然であると知らされます。そして、生きていることは偶然実は偶然であったと知らされます。
だからこそ、「色々な感謝を持って生きなさいよ」という捉え方も大切です。
しかし、仏教コーチングにおいて、もっと大切にしたい考え方は死ぬことは必然であり、私たちの命は誰一人として例外なく年齢も関係なく明日の命は誰一人として約束されていないことです。
それにも関わらず、「いかによく生きていくか」ということばかりに執われて「私の命はいずれ終わってしまう」ことを考えないのはゴールのないマラソンを走っているのと同じです。
このように、死苦を捉えるからこそ、「いかによく生きていくか」という「地位や名誉や財産」に執われる生き方を客観視させてくれます。
これは、単なるコーチングだけではなく仏教コーチングだからこそ知らされる視点でしょう。
【仏教の特徴】仏教の旗印である四法印が私達そのものと世界の真実です
仏教の根本原理は「四法印」として次の4つが挙げられております。
諸行無常
因縁によって作られたものは常に変化してとどまることがない。
諸法無我
すべてのものに永遠普遍の実体は存在しないということ。
涅槃寂静
煩悩が消された状態こそが安穏であるということ。
一切皆苦
あらゆる存在はすべて苦しみであるということ。
この一切皆苦の中に、先に挙げた「生老病死(生まれてくること、老いること、病になること、命を終えていくこと)」と含まれております。
そして、最初に説かれている諸行無常ですが、「あらゆるものは消滅変化をしていく。一時もとどまっているものはなくて失う時がやってくる」ことであります。
お坊さんがお話しする時には、お葬式のご縁などの命のご縁の時にお話しされることが多いです。「私たちの命はいつまでも続いていくものではないんですよ。必ず終わりがやってくるんですよ」と説かれることです。
そう聞かされるとマイナスイメージの言葉のようでありますが、捉え方によっては希望を与えてくれる言葉でもあります。それは、無常だから「いくらでも変わっていける。幾らでも良くなっていく」という無限の可能性を示している言葉でもあります。
今、現在が人生のどん底だと思っていても「私はいくらでも変わっていくことができる」という勇気を与えてくれるのも仏教の教えです。
だからこそ、そのような勇気を与えてくれるだけではなく、この世界の真実も明確に教えてくれている仏教の真理を根底としてコーチングするのが「仏教コーチング」です。
まとめ
ここまで、コーチングの意味合いと仏教コーチングの意味合いの差、そして仏教の教えの一部について書いてきました。
コーチングだけでも人生は変わりますが、「いかによく生きていくか」ばかりに捉われて死ぬことを見なければゴールのないマラソンを走っているのと同じです。
それでは、本当の幸せは手に入らないでしょう。
コーチングを受けるだけではなく、私たちの命の真実と、私たちの人生の意味まで明確にしてくれる仏教が根底だからこそ、迷いのない人生を歩むことができます。
そのような理由から、仏教コーチングは万人にとって必要なコミュニケーションスキルであるように思われます。
また、仏教コーチングと名乗っておりますが、コーチング中に最も皆様のお気持ちを大切にすることは変わりません。
些細なお悩みなどでも、仏教コーチングなら解決できる可能性もありますので、お気軽にご相談ください。