交通事故に遭遇しても不思議ではない日本の現状
皆様は交通事故に遭ったことがあるでしょうか?
ほとんどの方が交通事故を見たことがあると思われますが、ご自身が運転している車で交通事故に遭ったことはありませんか?
2013年にソニー損保がアンケートを実施した結果、69.8%の方が運転をしている時に交通事故に遭っているそうです。
ほぼ70%ですので、10人のうちの7人です。
なるべく遭遇しないように注意して運転しなければなりません。
しかし、仮に交通事故を起こしても恥じるのではなく、教訓として人生を歩むべきでしょう。
僕自身、交通事故から大切なことを学ばせていただいたので、ここでシェア致します。
警備会社の車を全損させて先輩を怪我させた過去
僕が大学時代に経験したアルバイトの一つに警備員があります。
今はお坊さんの服装をしておりますが、当時は工事現場やスーパーで棒を振り回していたんです。
早朝でも深夜でも、希望すれば仕事を与えてくれていたので、金欠の僕にとってありがたいお仕事でした。
僕は京都にある警備会社に所属していたのですが、当時、よく行っていた現場は滋賀のスーパーでした。
軽自動車に3人で乗って現場に行くことが多かったのですが、運転免許を持っているのが僕一人だったので当時19歳の一番下っ端の僕は基本的に運転手だったんです。
その日も、いつも通り夜8時までスーパーで交通誘導をして、スーパーの店長にサインを貰って、大雨の帰り道。
下り道のカーブにある道路と道路のつなぎ目にある金属の部分でタイヤが滑って車の操作ができなくなりました。
そのままガードレールのボーンってぶつかって、さらに一回転してガードレールにぶつかった状態で、煙を出して車が動かなくなりました。
助手席に乗っていた先輩が頭から血を出していたのでスグに救急の電話をしたら大勢の警察もやってきて、そのまま事故の状況を調べてました。
「まさか自分が…」。思い通りにならないのが人生の現実
パトカーが数台来て、長い距離の大きい事故を起こしてしまったのですが、その時は「まさか自分が・・・」という気持ちでいっぱいでした。
高速道路などで大きな事故を見かけることはよくあります。
そんな時に、「うわ〜、大変やなぁ」と思うことはあっても、「いずれ自分が起こすかも知れない」と思うことはありません。
その時の助手席の先輩は頭から血を出していましたが擦り傷だったので無事でした。
でも、頭の打ちようによっては僕は殺人者です。
そして、僕自身が命を終えていたらここにはいません。
皆様の中に事故を起こされた方がもしいるならば、その時に「よし、事故を起こしてみよう!」と思われた方はおそらくいないでしょう。
わざとではありません。
そんな「まさか自分が・・・」と思う場面は多々あります。
今回は車の事故のことですが、
「まさか自分のあの一言で、ここまで誰かを傷付けてしまうとは・・・」
そう思ったことも多々あります。
お酒を飲んで大失敗してしまう人も、酔いがさめたら「まさか自分が・・・」という気持ちに襲われるそうです。
その気持ちがある限り、事故と同様に決してわざとではありません。
お釈迦様は、人生は不如意であることをお示しくださいました。
思い通りにならないばかりか、予想外の出来事が起こり続けるのが人生です。
自分自身が生活の中で注意するのと同様に、誰かが何かをしでかした時に、「まさか自分が・・・」という失敗で、わざとじゃないならば怒らず受け止める寛容さが大切なのかも知れません。
怖くて優しい警察官が教えてくれた心に染みる言葉
事故の時に仕切っていた怖そうな警察官が一人いました。
部下に「おい!遅いぞ!」と怒って、みんなに指示を出していた警察官です。
僕が事故の後に警察署に行った時、その警察官が実況見分をしてくれました。
その実況見分はまぁ怖いこと・・・。
常に上から怒鳴るように事故の説明をされました。
そして、僕の事故内容がまとまった後に、近くにいた部下に部屋を出るように言った後、怒る顔から真剣な顔になってこう言われました。
「これで警察としての仕事は終わり。今から、人としてお話するわ」
「事故で悲しんでいる人も、悲しませている人もたくさん見てきたんや。もう俺も悲しみたくないから気い付けてな」
そう優しく言われたのを聞いた時に、なぜか涙が出てきました。
その警察官の方は、受けきれないほどの悲しみを見て聞いていたことに初めて気付きました。
どこまでも自分勝手な私。甘えてはいけないのが人生
その取り調べで、僕は人身事故を避けていました。
理由は親に知られたくなかったからです。
でも、その警察官の言葉を聞いた時に、
「どれだけ自分勝手な俺やねん!もし先輩の脳に異常が出たら、全員を悲しませるやんか!」
そう自分の痛ましさに恥ずかしくなりました。
不如意な世の中で思い通りに生きている人は一人もいません。
誰もが、誰かを悲しませたり、自分自身が悲しみに沈んでしまうことがあります。
そんな私たちと一緒に悲しみ、私たちの現実をどこまでも受け止めてくださるのが阿弥陀さまです。
でも、「甘えていいわけではないんだ!」そう思うことが多いです。
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