もくじ
死別の悲しみから立ち直るヒントをくれたひとつの詩
決して逃れることのできない死別を経験した時、悲しくつらい気持ちが自然と湧きあがってきます。
いのちの終わりのご縁に湧き上がる気持ちは、単なる悲しみだけではなく、故人への感謝の気持ちもあります。
しかし、そう思っていても、もう触れ合うことのできない悲しい気持ちを抑えることのできない時もあります。
そのような気持ちや故人との思い出を大切にしたいものです。
僕は、中西智海という浄土真宗本願寺派の和上さまが残された詩に死別を前向きに捉える尊さを知らされました。
人は去ってもその人のほほえみは去らない
人は去ってもその人のことばは去らない
人は去ってもその人のぬくもりは去らない
人は去っても拝む掌の中に帰ってくる
「人は去っても」決して別れ離れではない尊さ
いのちを終えても、生きている間に何度も見せてくれた笑顔は思い出となって残ります。
いのちを終えても、生きている間に教えてくれたたくさんの言葉は脳裏に焼きつき残ります。
いのちを終えても、「こういう優しい人だったなぁ」という記憶がなくなることはありません。
そして、いのちを終えても私と別ではありません。
手を合わせて「なんまんだぶ」と称えるご縁となって、私とずっと一緒にいてくださいます。
南無阿弥陀仏のおはたらきでお浄土に参らせていただき、その南無阿弥陀仏を称えるご縁となってくださる。
亡き方と南無阿弥陀仏でつながってゆく。
拝む手の中で私と一緒。
そんな心を浄土真宗という見教えは与えてくれる。
そんなことを思わせていただいた一つの詩でありました。
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