お仏壇の飾り方は土地によって変わっている?
京都で学生をさせていただいていた時、隣の大阪府でお参りのお手伝いをさせていただくことがりました。
大阪府は、田舎暮らしの私にとって大都会でありました。
考えられないことばかりでありました。
たとえば・・・
「家と家との間がほとんどない」
「横の家のケンカの声とか丸聞こえ」
建物が少なく、基本的に田んぼの土地で育ってきた私にとって、ありえないことばかりでありました。
土地だけじゃなく、お仏壇を見ても驚かされました。
なんとなく、土地によってお仏壇の飾り方が異なっているのです。
お仏壇に宝くじ。願いを叶える場所として機能しているお仏壇
初めて大阪でお盆のお参りをした時のお話です。
三軒の家が、間無く並んでいたのを、順番にお参りしました。
今になって考えてみますと、私がお参りをしている声は、横の家に丸聞こえでありますので、三軒の家が、三回同じお経を聞いていたのでしょうね。笑
きっと、「次はうちやな〜」って思いながら、お経を聞きながら待っていたのでしょう。
それでも、最高の笑顔で出迎えてくれる優しさを感じます。
そしてその三軒の家は、どの家もお仏壇がピカピカに磨かれていたんです。
そしてどの家にも、お仏壇の一番目立つところに「宝くじ」を置いておりました。
浄土真宗のお仏壇は、浄土という阿弥陀さまの国をあらわされております。
それでは、最も目立つのは阿弥陀さまのはずです。
しかし、その家では宝くじが最も目立っておりました。
三軒目の家の方に尋ねてみました。
「私、大阪でお参りするのは初めてなんですが、この辺りの家では宝くじをお供えするんですね?」
すると、最高の笑顔を浮かべながら、このように言われました。
「この宝くじで新しい仏壇買うんよ、もうすぐで発表、待ち遠しいわぁ」
その時に私は非常に驚きました。
宝くじに当たること前提でお話されてるんです。
なんと図々しいのか。
完全に仏壇に宝くじ置いたら当たると思っております。
宝くじに当たったかどうかは分かりません。
もし当たったとしても、本当に仏壇を買うのかも分かりません。
これは完全な予測でありますが、
お盆中に、しかも一番目立つところに宝くじを置くような方が新しいお仏壇を買うとは思いません。
自分の洋服や旅行などに使う気がしますが。
そしてもしも当たっていたら、恐ろしいことが起こるかも知れません。
大阪という土地は、「誰にもゆうたらいかんよ、誰にもゆうたらいかんよ」その連続で噂がどんどん広まっていきます。
もしもお仏壇の真ん中に宝くじを置いて当たった噂が広まってしまったら、お坊さんがいくら「お仏壇は仏さまの国をあらわしているんですよ〜」と言っても収拾のつかない事態になるでしょう。
まったく当たらなくても、不満がこぼれるかも知れません。
願い求める生き方には不安がかならず付きまといます。
叶ったら「もっと叶えたい」という欲望が起こり、叶わないと「ちくしょー」という不満が起こります。
【本当の安心】必ず救うという仏様の願いを聞くこと
しかし、「私が願われていたんだ」と気付かされる生き方には不安はありません。
むしろ、安心があるのではないでしょうか。
私の欲望から願いをかけるのではなく、阿弥陀さまに願われていることを聞かせていただくのが浄土真宗であります。
「宝くじ」などのこの世の欲望ではなく、「あなたのいのちはむなしく終わらせない」そのような阿弥陀さまの願いを聞かせていただく人生が浄土真宗であります。
誰もが同じように願われ、同じように救われていく。
宝くじのように「当たる人」と「当たらない人」が存在するのではなく、全員で一緒に救われていく。
そんな仏さまに出遇わせていただいて本当に良かったですよね。
なんまんだぶ。なんまんだぶ。
今では安価で便利なお仏壇も多く販売されております




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