
「世界で最も出版されている自己啓発本といえば??」
おそらく、「7つの習慣!」と迷わずに答えられる方が多いでしょう。
スティーブン・R・コヴィー博士によって著された『7つの習慣』は多くの方に親しまれ、日々の生活の習慣として活かしておられる方も非常に多いです。
『7つの習慣』は名前の通り、自己啓発に繋がる習慣が7つ紹介されております。
7つの習慣の内容に入る前に、その土台となる考え方をおさえておくことが大切です。
そこで、この記事では土台となる考え方について紹介します。
この記事を読むことで、『7つの習慣』を読み進める土台が身につくだけではなく、日常生活の中で新しい習慣をはじめる前の心構えも明確になることでしょう。
7つの習慣全体を通して大切な思考法
コヴィー博士は『7つの習慣』の最初に次のような言葉を引用されております。
「正しい生き方なくして真の成功はありえない」
デイビッド・スター・ジョーダン
みなさまはこの言葉からどのような印象を受けたでしょうか。
「正しい生き方」と「真の成功」はそれぞれの方の人生経験によって答えが違ってくるように思われます。
一般的には、人に優しく、嘘をつかず、真っ当な生き方を「正しい生き方」であり、その結果、幸せな人生を歩むことを「真の成功」と捉えられる方が多いのではないでしょうか。
しかし、そのような当たり前の思考を伝えるためにわざわざコヴィー博士は引用したのではないでしょう。
『7つの習慣』全体を通して大切になってくる本当の意味での「正しい生き方」と「真の成功」を手に入れるために「人格主義」という言葉がキーポイントになってきます。
【人格主義】個性主義に執われない生き方で真の成功を掴めます
『7つの習慣』の最初に「個性主義と人格主義」という見出しが出てきます。
この「個性主義」「人格主義」はコヴィー博士が作られた言葉です。
「個性主義」「人格主義」という言葉について『7つの習慣』では以下のように説明されております。
- 個性主義
最近の50年間に出版された「成功に関する文献」はどれも表面的なのだ
- 人格主義
建国から約150年間に書かれた「成功に関する文献」は、誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、質素、節制、黄金律など、人間の内面にある人格的なことを成功の条件に挙げている
また、個性主義について「人を操るテクニック、ひどいときには明らかに騙しのテクニックさえ紹介されていた」と言われており、個性主義よりも人格主義にこそ真の成功が得られることを説明されております。
しかし、個性主義ばかりに目を向けてしまうのが私たちの生き方ではないでしょうか。
自分自身の人格を磨くよりも、テクニックばかりにとらわれても幸せになることはできません。人への感謝も湧いてこないように思われます。
個性主義にとらわれずに人格主義を大切にした生き方をしたいものです。
人間関係での信頼はテクニックで付けられません
「人生が良くなるテクニックを身に付けたい」と思うのは人間の欲求です。しかし、テクニックばかり優れている人と信頼関係は築けるでしょうか。
本当の信頼関係は、テクニックではなく人間性ですよね。
人間性が良くなければ長期的な付き合いはできませんし、スグにメッキは剥がれ落ちます。
むしろ、テクニックで相手と良き関係を築こうとすれば、バレた時に人間関係は破綻するでしょう。
世渡り上手な方もおられますが、『7つの習慣』で言われている「誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、質素、節制」がなければ表面的な付き合いしかできないでしょう。
人と信頼関係を結ぶためには個性主義ではなく人格主義が大切なことは明白ですよね。
多くの自己啓発本ではテクニックばかり説かれておりますので、テクニックに心奪われそうになることもあります。しかし、『7つの習慣』を読み進める前にテクニックではなく人間性に焦点を当てましょう。
それこそが、「正しい生き方」と「真の成功」を掴むために必要な要素になってきます。
人格主義を身に付けるために習慣が必要です
コヴィー博士は人格主義を身に付けるための方法として、アリストテレスの言葉を『7つの習慣』に引用されております。
人格は繰り返し行うことの集大成である。それ故、秀でるためには一度の行動ではなく習慣が必要である。
「人格は繰り返し行うことの集大成である」という言葉が最初に出ておりますので、人格形成にスポットを当てられており、そのためには習慣が必要であるという意味合いになります。
確かに、人格はスグに変わるものではありません。もしもスグに理想的な人格になるならば、争い事が起こることもないかも知れません。
習慣化して、長い時間をかけて徐々に変化していくものです。
逆に、習慣化できれば人格形成も可能であるともいえます。
習慣によって人格は形成され、人格は習慣によって護られていきます。ですので、習慣と人格は切り離せない関係性があるといえるでしょう。
『7つの習慣』で推奨されている習慣の根本には人格形成があることも大切なポイントですね。
【習慣の定義】どんなことも習慣化できる可能性があります
コヴィー博士は習慣について次のように仰っております。
習慣は私たちの人生に決定的な影響を及ぼす。習慣とは一貫性であり、時に無意識に行われる行動パターンであり、日々絶えず人格として現れる。その結果、自分自身の効果性の程度が決まる。
習慣を変えると人生は変わり、日々の人格としてあらわれます。
それでは、人生についても人格についても非常に重要な習慣を身に付けるためにはどうしたらいいのでしょうか。コヴィー博士は3つの大切なことが揃えば習慣になることを教えてくれております。
- 知識
なにをするのか? - スキル
どうやってするのか? - 意欲
それをやりたい!!
コヴィー博士は、この3つが習慣化するための必要な要素であることを示されております。
新しい学びを始める際にも、ネットで検索すれば知識やスキルはスグに見つけることができます。しかし、すべての方が実行できているか問われたら否定的な返答が多いでしょう。それは意欲という定義が抜けているからです。
学びを深めれば明確なメリットがある状態や、目指すべき姿がある状態なら習慣化できるでしょう。それは意欲に繋がるからです。
以上のように、「知識・スキル・意欲」が習慣の定義であることは明確です。
しかし、知識やスキルはスグに付けることができますが、意欲は気持ちの問題ですので湧き上がってくるものがなければいけません。
だからこそ、ネットでの無料セミナーやコーチングを受けることが効果的です。
もしもコーチングを希望される方はこちらよりご相談ください。
【インサイドアウト】7つの習慣の土台となる考え方
『7つの習慣』全体を通して、「インサイドアウト」という考え方は非常に重要です。
コヴィー博士はインサイドアウトについて次のように述べられております。
7つの習慣とはこの新しいレベルの思考である。原則を中心に据え人格を土台とし、インサイドアウトのアプローチによって個人の成長と効果的な人間関係を実現しようという思考である。
インサイドアウトとは、一言で言えば自分自身の内面から始めるという意味である。内面の最も奥深くにあるパラダイム・人格・動機を見つめることから始めるのである。
皆様は、この言葉を拝見してどのような印象を受けるでしょうか。
インサイドアウトは「内面の最も奥深くにあるパラダイム・人格・動機」を見つめることから始めることですが、当然のことですよね。
パラダイムとは「見方」のことですので「人生観」ともいえます。それでは、自分自身の全てを見つめ直すことがインサイドアウトになりますので当然のことです。
わざわざコヴィー博士がインサイドアウトを見出しにされたのには、「アウトサイドイン」に陥らないようにとの注意があるからだと思われます。
アウトサイドインに陥らないように注意しながら生きましょう
コヴィー博士はアウトサイドインについて、具体例を中心に次のように述べられております。
被害者意識に凝り固まり思うようにいかない我が身の状況を他の人や環境のせいにする。夫婦ならば、お互いに相手だけが変わることを望み、相手の罪をあげつらい改めさせようとする。
この言葉からわかりますように、インサイドアウトとは逆に相手からの影響で私があるというアプローチがアウトサイドインです。
端的にいいますと、私が変わるのではなく、相手が変わらないといけないという考え方です。問題は自分ではなく相手にあるという考え方です。
それでは、私の人生は変わるはずがありません。相手を変えようと苦心しても私は何の成長もできません。しかし、アウトサイドインのアプローチの方がラクなので陥ってる方は非常に多いです。
その結果、人間関係が壊れてしまったり、何かあると他人のせいにする悲しい生き方を選ぶことになります。
アウトサイドインに生き方はラクですが、自分だけではなく相手も傷付けてしまいます。
インサイドアウトの生き方を人生の土台とし、他者に影響を与えていくためにも自分自身が変わっていくことを大切にしたいものですね。
『7つの習慣』全体がインサイドアウトによって変化する書物
コヴィー博士は、社会心理学者のマリリンファーガソンさんの次のような言葉を引用されております。
説得されても人は変わるものではない。誰もが変化の扉をたたくガードしており、それは内側からしか開けられない。説得によっても感情に訴えても、他人の扉を外から開けることは出来ない。
この言葉はインサイドアウトの考え方が身に付いていれば納得できるかと思われます。アウトサイドイン(他からの影響によって自分が変わる)のではないので、他者の扉を開くこともできません。
それで内面から変わることを前提として『7つの習慣』があるのですが、コヴィー博士は『7つの習慣』にはどのような効果があるのかを具体的に説明されております。
- 私的成功(第1〜3の習慣)によって得られる効果
→目に見えて自信がつく - 公的成功(第4〜6の習慣)によって得られる効果
→人間関係を築く意欲が出る - 再新再生(第7の習慣)によって得られる効果
→効果的な相互依存ができるようになる
このような効果を得るためにも、自分自身で変化の扉を開けるアプローチが必要です。それができれば必ず人生が変わることを『7つの習慣』は教えてくれます。
『7つの習慣』全体が内側から変化していくものであり、『7つの習慣』全体がインサイドアウトの書物であることがわかります。
むしろ、インサイドアウトでないと変化しないんですね。
お互いに、『7つの習慣』に触れるなかで他者に影響を与えられる人格を身に付けましょう。
【パラダイムシフト】私のパラダイムを客観視してシフトする
コヴィー博士は「パラダイムシフト」について次のように説明されております。
『7つの習慣』を本当に理解するためには、まず自分のパラダイムを理解し、パラダイムシフトの方法を知らなければならない
そもそも、パラダイムという言葉を聞く機会はあまりないと思います。インターネット上では次のように説明されております。
パラダイム (paradigm) とは、科学史家・科学哲学者のトーマス・クーンによって提唱された、科学史及び科学哲学上の概念。一般には「模範」「範」を意味する語だが、1962年に刊行されたクーンの『科学革命の構造(The structure of scientific revolutions)』で科学史の特別な用語として用いられたことで有名になった。しかし、同時に多くの誤解釈や誤解に基づく非難に直面したこと、また、概念の曖昧さなどの問題があったために、8年後の1970年に公刊された改訂版では撤回が宣言され、別の用語で問題意識を再定式化することが目指された。
wikipediaより引用
よくわからないですね・・・
『7つの習慣』の中では、モデルや理論・認識・既成概念・枠組みを意味する言葉として広く用いられていると説明されております。もっと平たく言いますと物事をどう認識して、どう理解して、どう解釈しているかをまとめてパラダイムといいます。
つまり、パラダイムは私たちの見方そのものですが、「自分は物事をあるがままに客観的に見ているんだ」と思うことがあるでしょう。実は、それ自体が私のパラダイムであり、私のあるがままの世界を見ております。
だからこそ、パラダイムを変えることが出来れば人格そのものも変わります。
『7つの習慣』を読む前に必要な二つのパラダイムシフト
コヴィー博士は『7つの習慣』を読む前に二つのパラダイムシフトを提案されております。
この内容は『7つの習慣』に関わらず、一般的な書物を効果的にインプットする際にも大切な考え方なのでここで抑えておきたいと思います。
- この本は一度目を通したら本棚にしまい込んでおくようなものではないと考えて欲しい
- この本との関係を生徒から教師に転換することを勧めたい
この二つの意味について、簡単に説明いたします。
1、一生かけて何度も読むというパラダイムシフト
皆様は、何度も何度も読み直している書物はありますでしょうか?私は経験上、本棚に入れてしまったらなかなか繰り返し読むことはありません・・・
そして、2、3年ぶりに読み直すと見事に全部忘れております。
人生、数多くの書物を読むと思いますので、忘れることがあっても致し方ないことですし、決して悪いことではありません。
しかし、『7つの習慣』は一生かけて習慣化し、人格形成するための書物ですので、本棚にしまっておくのは得策とはいえないでしょう。
個人的には、トイレや車内など、定期的に読む習慣になりそうな場所に置いておくことをオススメします。
2、教わる読み方ではなく教える読み方へのパラダイムシフト
インプットだけではなかなか記憶に残りません。アウトプットすることによってして脳の中で整理されますので、記憶として残りやすいです。
また、コヴィー博士はわかりやすい言葉で具体的にどうするべきか説明されております。
インサイドアウトのアプローチにならって、学んだことを2日以内に他の人に教えることを前提として呼んで欲しい。
※インサイドアウトは、私から相手へというアプローチのことです。
今の時代は伝える方法が多いので、2日以内に教えるのもハードルは高くないでしょう。
ブログなども相手に伝える一つの手段ですが、個人的には言葉で伝えて、同時に聞くことをオススメします。
clubhouseやスタンドFMなど、音声SNSを活用してインプット即アウトプット習慣を一緒に身につけましょう!
まとめ
この記事では、世界中で最も出版されている自己啓発本である『7つの習慣』の土台となる内容について考察してきました。
その中でも特に、
・人格主義
・パラダイムシフト
・インサイドアウト
の内容を考察しました。
人格主義では、個性主義に執われない人格形成について触れられておりました。
またパラダイムシフトでは、私のパラダイムを客観視するからこそ、変化させて変われることがわかりました。
そしてインサイドアウトでは、私から変わることを示されておりました。
その全てを習慣化できれば他者のせいにすることなく自分自身の人生を歩むことができるでしょう。
このように、『7つの習慣』によって、人格形成しながら人生そのものを変化させる習慣を身に付けることができます。
私たちの人生のバイブルとして持っておくことをお勧めいたします。