
「寄り添う」という言葉を聞く機会は多いですが、本当の意味は難しいですよね。
ただ相手の話を聴くだけで寄り添うことになるのか、相手と気持ちを共感することで寄り添うことになるのか。
きっと、どのような行動で寄り添うことになるのかを考えている時点で寄り添えていないでしょう。
頭で考えている時点で、相手よりも私の思考を大切にしているのですから。
そこでこの記事では、ただ気持ちに寄り添うことの大切さを考えていきます。
この記事を読むと、日常生活で相手の気持ちに寄り添うことが自然とできるようになるでしょう。
寄り添うだけで意味があります。肯定も否定もしなくていい
お坊さんとして活動していると、色々な方の命のご縁に合わせていただきます。
たまに、深い悩みを抱えておられる方に対して「生きているだけで尊いんよ」と励ましている様子を拝見することがあります。
人を勇気づけようとする言葉って美しいと思います。
しかし注意が必要です。
今までの人生、辛く悲しい思いばかりを抱えておられた方にとって「生きているだけで尊いんよ」と言われる事は「もっと頑張って生きなさいよ!」と声をかけるのと同じように考えられることがあります。
そうではなく、相手の気持ちを肯定も否定もせずただ受け止める。
「ただ寄り添うだけで充分なんかな」とよく思わせていただくところであります。
必ず終えていく命だからこそ寄り添いを大切に
「もっとより良い人生を歩んでみたい」って思われている方に対していい方法があります。
それは、「いかによく生きていくか」ということよりも「私の命は必ず終えていくんだ」ということを考えるのが大切です。
「人生終えていくんだ」っていう逃れることのできない現実を先に見ることが大切なんですね。
私たちの人生必ず終えていくと思った時に、今、私がお金を稼ぐことに必死になっていたり、あるいは、会社を大きくすることに必死になっていてもそれも全て命終えた時には必ず失っていくんだ。
そして、私が必ず命終えていうということを知らされるのは、「より一日一日を大事にしていこう」という心になります。
だから、終わりを先に考えることも大切です。
人の気持ちを考えるのではなく寄り添うだけで充分です
「人の気持ちがなかなか理解できないんです」
そのような相談を受けることがよくあります。
しかし、ご安心してください。
人の気持ちが理解できないのは正常です。
逆に、人の気持ちが分かっていると思って接することで相手を傷付けてしまうことがあります。
ですので、私たちは「気持ちを理解できない」「何もできない」って思われる方がおられたら大切にしたいことがあります。
それは、理解できないからこそ私たちは人に寄り添うことができます。
相手の気持ちを理解することよりも、相手の気持ちそのものに寄り添う。
悲しんでいる人に対して「悲しいね」って、そのまま悲しみや喜びの共有する。
そのような関わり方の方が大切です。